【JT株】人気最強の高配当株JT(日本たばこ産業)を解説

今回解説するのは、JT(日本たばこ産業)です。

JTは、個人投資家に人気の高い銘柄です。
新NISAの個別株でもトップレベルの人気になっています。

JTが人気な理由は、大きく3点あります。

・高配当株
・大株主が日本政府
・たばこ市場を独占している

こういったことから、JTにはディフェンシブな高配当株のイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。

実は米国株でも、たばこ銘柄というのは高配当で、また長期投資した際のパフォーマンスが非常に優れている実績があります。

しかしJTにはハイリスクな面も多く、その点を理解しないで買うのは結構危険な銘柄だったりします。

そこで今回は、JT株に投資する際のメリットと注意点、また買うべきかどうかについて紹介したいと思います。

Youtube(動画)でも解説しています

JT株の特徴

JT日本たばこ産業は、日本のたばこメーカーです。
たばこだけではなく、医薬事業と加工食品事業も展開しています。

食品って何をやっているかというと、テーブルマークを運営しています。
テーブルマークというのは冷凍うどんで有名な元カトキチですが、JTに買収されてたんですね。

ただ売上の約90%はたばこになるので、やはりたばこメーカーとして考えてよいと思います。

そしてJTのたばこですが、海外展開しているという点が特徴です。

世界市場でもシェアは大きく、世界4位のタバコメーカーになります。
国内企業のイメージが強いですが、海外のタバコ市場の売上が重要になる点も知って置く必要があります。

そしてJT株の一番の特徴ですが、やはりタバコメーカーとしては日本国内を実質独占している状態になっています。

海外だとタバコメーカーは複数あったりするんですが、日本にはJTしかありません。

JTの主要株主

JTの主要株主には、財務大臣という名前が書いてあります。
これは実質的には、JT法というものに基づいて日本政府が保有しているという状態になっています。
JTの他にもNTT等、民営化した企業は政府が一定の株式を保有している状況になっています。

この点で、日本政府が株を持っているから安心だ、売られることはない、と考える人もいると思いますが実際はそんなことはないです。

2023年にNTTが完全民営化の話が出た時には政府が株を放出するのでは、ということで株価が下落したこともありますし民主党世間時に、政府保有のJT株を全株売却する方針がでた事もあります。

この先どうなるか考えても分からないですが、一概に好材料とも言えないと思います。

またJTの株価は実際に過去大幅に下落しているという現実があります。
ですので、少なくとも日本政府が所有している株価が下がりにくい、とは考えない方がいいかなと思います。

JT株の配当利回り

JT株といえば、やはり配当利回りが高いという点が特徴です。
過去には6%台、7%台になっていた時期もありました。

株価が上昇してきたことで 配当利回りが下がってきており、現在の株価だと4%台後半になっています。
一時期に比べると極端に高い利回りでは無いですが、一般的に4%を超えてくると高配当利回りになるので十分高配当銘柄として投資対象にはなってくると思います。

またJTの増配状況ですが、過去連続増配していました。
そのため基本的には連続増配企業に含まれると思います。

ただ気になる点としては、JTは過去に減配している実績があります。
2020年に増配がストップし、減配も行われたことがあります。
その後また増配が行われたたのですが、減配はありえるという所は意識した方がいいと思います。

減配については完全に予測することはできないですが、JTの業績が悪化して減収・減益になった時や、株価が大幅に下落しつづけ、極端に配当利回りが高いような状態になった時は注意した方がいいかもしれません。
ちなみに減配が発表された時の配当利回りは7%台ありました。

JT株のリスク

JT株のリスクについて紹介します。
JT株には大きく4つのリスクがあります

リスクの1つ目 為替リスクです。
海外市場の売上が大きいため、為替の影響を大きく受けます。
ここしばらくJTの株価は好調なのですが、円安による業績期待の影響も大きいと思います。
逆に今後円高になった時は、業績にマイナスの影響があるので注意が必要です。

リスクの2つ目はカントリーリスクです。
海外市場に販売しているということで、その国に何かあった時のリスクが考えられます。
一般的にカントリーリスクというと、戦争や災害などが上げられます。
特にJTはロシアの売上が多く、ウクライナ問題をはじめとする国際問題の影響も懸念される所になります。

リスクの3つめは政策リスクです。
たばこに関しては、国が規制することで売上への悪影響があります。
日本も昔に比べて喫煙者には厳しくなってきましたが、海外はより規制を強化する国が増えてきています。

そのため、海外においては各国のたばこ規制により売上に影響を受ける可能性があります。
この点はJTに限らず海外のたばこ銘柄でも同じリスクがあり、たばこ銘柄に投資する時は注意が必要なポイントです。

リスクの4つめはESG投資の影響です
近年では、特に欧米の機関投資家にESG投資という考えが広まっています。
環境や社会に配慮する企業に投資するという考えです。
そのため、JT株に対してESG投資の観点からJTへの投資から撤退しています。
またJTの発表によると株主のうち、外国人が占める割合が年々低下しています。
過去JTの株価が下落した背景として大きいとも言われています。

JT株に関しては結構リスクもある銘柄ということを認識して投資したほうがよいかと思います。

JTの株価推移

ではここで、JTの過去の株価推移について見ていきましょう。

JTの株価は、2022年後半からここ直近では好調で大きく株価を伸ばしています。
しかしその前は株価の下落が続き、株価はピーク時の半値以上に落ち込んでいました。

この時日本株市場は暴落していた訳ではないですし、そんな中株価が半分になってしまうというのは全然ディフェンシブな銘柄ではないことが分かると思います。

ちなみに高配当株というと、暴落時には強い銘柄も多いです。
株価が下がると配当利回りが増えることになるので、配当狙いの買いが入るからです。

ですのでこの株価が下がり続けている時、この配当利回りだったらさすがに底値だろう、といって買ったものの数年間塩漬けなったり、損切りする個人投資家がたくさん発生しました。

Twitterや掲示板でも、JT株を買っている人を馬鹿にしたり叩く人もよく見かけたりしました。

最終的に底値の時の配当利回りは6%台でした。
そして株価が反転したきっかけになる増配で7%台になりました。
今から振り返ると絶好の買い場だったかと思いますが、実際ここまで持っておくのはかなり難しかったと思います。

ただ直近の状況としては、非常に株価が強い状況になっています。

JT株の業績

たばこ産業というと、この先先細りになるようなイメージがありませんか?
たばこというと、日本でも喫煙者ってすごく減ってますよね。
そうなると将来的な売上が気になるところです。
しかしたばこの販売数量は減っているんですが、その分値上げしたことでカバーできる状態になっています。

また増税してもその度に値上げをして価格転嫁できているので、この点では強いビジネスモデルかと思います。

またたばこ事業というのは、営業利益率が20%以上あって非常に利益が高いです。
寡占しているからできるビジネスモデルだといえます。

そのため、全体の売上としてはあまり変動しておらず横ばいの傾向にあります。
今後伸びる要素としては、海外シェアの拡大等にかかってくるかと思います。

ただ気になるのは、それほど売上に変化が無い状態でも株価が下落したり上昇したりしているので、JTに関しては直近の業績だけ見て投資すればいいかというと、そうでもない所が難しい所です。

JT株の株主優待

JT株は株主優待は今はありません。
今は、というのは実は以前はJTには株主優待があったのですが2023年発送分を持って廃止になっています。

JTが人気の理由の一つはこの株主優待で、高配当利回りに加えて、100株で2,500円相当の優待品をもらえたので総合利回りはかなり高かったというのがあります。

廃止理由は、株主への公平な利益還元のあり方とうことで、配当等による利益還元に集約するというものです。
そのため今後は、株主優待が復活する可能性は低いように思えます。

この廃止理由ですが、実際には株主還元の負担が大きかったのではないか、とか自社商品を使って貰うとしても、JTは飲料品や食料品事業の売上は赤字なので宣伝効果は低かったんじゃないかな、とも思います。

株主優待で人気の企業が、株主優待を廃止した時は株価が下落する事も多いので、優待廃止リスクというのは意識する必要があります。
実際JTMお株主優待が廃止になった時は株価への影響がありました。 

ただJTに関しては、優待廃止リスクはなくなったとも考えられるので現時点から投資する場合はメリットかもしれません。

JT株の買い時は?  

JT株は、過去下落した時の配当利回りが6%台にあったので、そこまで落ちれば買い時になる可能性があります。
しかし今はかなり株価も上昇してしまったため、今からJTを買うかどうかは、かなり判断が難しい状況になっています。

ただチャート上では、2016年の高値が見えて来ている状況にあり最高値の更新が意識される所です。
一般的に最高値を更新すると、大きな売りが出てこなくなり株価が上昇しやすい状況になることが多いです。

また今は日本の大型株が強い状況にある上、NISAでの個人投資家の人気ぶりも下支えになり、しばらく買いが続く可能性がある背景になっています。

直近で株価が上がりすぎたため、できればある程度株価が調整したタイミングで買いたい所です。    

しかし2022年頃の株価や配当利回りに落ちる可能性は低いと思われるので大幅に株価が下落するのを待つのは得策ではないかもしれません。

そのため、他の銘柄と比べてJTの現状の利回りを魅力的だ、と判断する場合は今から投資するのもありではないかと思います。

ただ今回の動画で紹介したように、JT株には特有のリスクは存在するので、購入する場合はあくまで全力で集中投資するのではなくポートフォリオの一部に留めておくと思います。

まとめ

では今回のまとめです。
JT株は、高配当利回りで個人投資家に人気の銘柄です。

ただリスクもあるので、投資する際には注意が必要です。
リスクとしては下記のような物があります。
・為替リスク
・カントリーリスク
・政策リスク
・ESG投資

また、過去に減配や株主優待の廃止、株価もピークから半値まで下がったこともありリスクのある銘柄であることは知っておく必要があります。

JTは底値から株価が上がったとはいえ、現状でもかなり高い配当利回りになります。この利回りを目的に投資するのはアリだと思いますが、リスクを考えた上でポートフォリオを組むことをおすすめします。