何月が株価が上がりやすいのか、あるいは下がりやすいのか気になる人も多いのではないでしょうか。
株式市場にはそういった季節性や法則性といったものが存在しており、アノマリーと呼んでいます。
アノマリーとしては例えばセルインメイとか、節分天井といった言葉が有名です。
周りでセルインメイだ!とか騒いでいるときにえっ株を売ったほうがいいの?と狼狽してしまうような事にもなりかねません。
一通り中身を知っておいて損はありません。
またアノマリーには、正直迷信のような物も多いです。
しかし自分で独自の法則性を見つければ、トレードのアイデアとして使うこともできるのでぜひ活用しましょう。
1月効果
1月効果というのは、年初は株価が上がりやすいと言われています。
特に米国の小型株が強い傾向があるとされています。
これは年末、節税のために一旦株を売った機関投資家が買い直すためと言われています。
1月の株価が高ければ、その年の株価は高くなるともいわれています。
ただ1月効果は、以前はアノマリーの中でも特に有名だったようですが、近年ではあまり効果が見られないとの分析も多く出ています。
また日本市場においては、年初の売買初日を大発会といいますが、その日に株価が上がるご祝儀相場を期待する人が多いです。
ただ実際には大発会は普通に株価が下がる事も多く、アノマリーとしては期待できないです。
節分天井、彼岸底
節分天井、彼岸底もよく見かけるアノマリーです。
節分のある2月上旬に高値をつけて、彼岸のある3月中旬に底になるというものです。
これは1月効果の買いが2月まで続き、そこから3月の決算発表に向けて株価が落ち着くという事が要因だと言われています。
ただこれは1月効果がある前提ですが、それも現在では効果が怪しいので節分天井というのも効果が薄いと思われます。
またここ数年の間に、逆に2月に暴落が起きたこともあります。
セルインメイ
セルインメイは、5月に株を売れという有名な格言です。
よく5月に株が下がると、セルインメイだから株が暴落する、みたいなことを言っている人をみかけますがそのような意味ではありません。
元々はイギリスの投資の格言で、その続きがあります。
「5月に売ってどこかに行け、セント・レジャー・デーまで戻ってくるな」という意味です。
セント・レジャー・デーというのは、9月中旬の競馬レースのことです。
ですのでセルインメイとは、5月に暴落が起きやすいという意味ではなく夏場は株価が冴えないので5月位から休んで9月位に帰ってきなさいというのが本来の意味です。
このセルインメイ、夏場の方が株価が冴えないというのは統計的にある程度の法則性はあるようです。
夏枯れ相場
夏枯れ相場とは、夏場は株の取引量が減り、株価が上がりにくくなるというアノマリーです。
株式市場に流れてきている資金の大半は、海外の機関投資家によるものです。
そして海外の機関投資家は、夏に長期休暇を取るので夏場は取引が減る事が原因と言われています。
この夏枯れ相場については、ある程度信憑性があるようで出来高が少ない傾向があるようです。
夏枯れ以外では、クリスマスや年末なども売買高が減るようです。
ただ閑散に売り無しという格言もあり、閑散とするからといって暴落しやすいという傾向がある訳でもないようなのであえて株を売る必要性は無いかもしれません。
年末ラリー
年末ラリーとは、年末にかけて株価が上がりやすいというアノマリーです。
ハロウィン効果やクリスマスラリーという言葉もあり、10月、11月頃から株価は上がりやすいと言われています。
年末にかけて株価が上がりやすいのには、様々な要因があると言われています。
日本株においても、年末にかけて「掉尾の一振」という相場格言があります。
これは、海外投資家の決算対策売りや個人投資家の損益通算売りなどにより株価が下押ししたあと、12月末にかけてファンドなどの買い原因とされています。
節税売り
12月は節税のために含み損の株式を売却することが多く、株価が下がりやすくなるという株価アノマリーです。
この節税売りと思われる動きですが、実際に節税売りと思われる売りが発生することがあります。
ただこれはその年の株価の状態にもよりますし、銘柄にもよりけりだったりします。
またアノマリーではありませんが、実際にある動きとして年末にかけてIPO、新規上場企業が多数でてきます。
この時は、市場の資金がそちらに向かってしまい個人投資家に人気の高い新興銘柄は大きく売られる事がよくあります。
年末には日経平均や大型株だけが上がって、個人投資家に人気の新興銘柄は弱いといったこともあるので
年末の株価の需給については意識した方がいいと思います。
以上、株式投資のアノマリー6選でした。