米国株投資家やインデックス投資家の間で、「レバナス」と呼ばれる投資商品が話題です。
レバナスとは「iFreeレバレッジNASDAQ100」という、NASDAQ100指数の2倍の値動きをする投資信託です。
NASDAQ指数は主に米ハイテク企業で構成され、近年S&P500等より大きなリターンを上げています。
このNASDAQ指数の2倍の値動きをする投資信託で、さらに大きなリターンを期待する投資家が増えています。
この投資商品はYoutuber等が紹介したことで、最近投資を始めた初心者の間で流行しているようです。
しかしそんなに優れた投資方法であれば、なぜベテラン投資家達は投資していないのでしょうか。
そこで、レバナスのメリットやリスクについて考察してみました。
レバナス（iFreeレバレッジNASDAQ100）とは
レバナスとは、大和アセットマネジメントが販売している「iFreeレバレッジNASDAQ100」という投資信託です。
「iFreeレバレッジNASDAQ100」はNASDAQ100指数の”2倍の値動き”をする投資商品です。
大和のiFreeシリーズは投資信託の中では比較的メジャーな商品で、一般的な証券会社（楽天証券やSBI証券等）で購入する事ができます。
iFreeシリーズの中で特にレバナスは人気で、投資信託の人気ランキングの上位に入っています。
NASDAQ指数の株価チャート
NASDAQ指数に投資したい人が多い理由は、その投資リターンが一つの要因です。
NASDAQ指数は、S&P500指数に比べて高いパフォーマンスを上げています。
NASDAQ指数はグロース企業で構成されているため、金融緩和局面ではS&P500よりも株価が上昇しやすい性質があります。
NASDAQ指数に投資する方法と比較
NASDAQ指数に投資する方法は下記の方法があります。
- QQQ（米国株市場上場のETF）
- eMAXIS NASDAQ100インデックス（投資信託）
- iFreeNEXT NASDAQ100インデックス（投資信託）
- iFreeレバレッジNASDAQ100（投資信託）
- 2568（東証上場のETF）
NASDAQに投資する手段は、残念ながらあまり充実していません。
積み立てしたい場合は投資信託が選択肢になります。
iFreeレバレッジNASDAQ100を選ぶのは「レバレッジをかけるかどうか」が判断ポイントになるでしょう。
iFreeレバレッジNASDAQ100の信託報酬
iFreeレバレッジNASDAQ100の信託報酬は0.99%です。
レバレッジの無いFreeNEXT NASDAQ100の信託報酬は0.495%なので、多少割高に感じます。
しかしこの商品に限らず、レバレッジ商品は運用コストは高くなるのが普通なので仕方がないでしょう。
他に対抗商品がない状況のため、信託報酬の値下げもしばらく期待できないかもしれません。
iFreeレバレッジNASDAQ100のメリット
iFreeレバレッジNASDAQ100のメリットは以下の点です。
- NASDAQ指数に投資できる
- 投資信託で積み立て投資ができる
- 信託期間が無制限（長期投資向けの商品）
- レバレッジをかけられる
しかし①～③は他の信託でも実現できるので、結局は④レバレッジをかけられるのが最大のメリットです。
iFreeレバレッジNASDAQ100のデメリット
iFreeレバレッジNASDAQ100のデメリットは以下の点です。
- 基準価格（株価）の動きが難解
- 株価下落時のドローダウン（下落幅）が大きい
まず①ですが、NASDAQ指数のピッタリ二倍で変動しません。
株価の下落時は、その2倍以上にオーバーシュートします。
そもそもNASDAQ指数は株価のボラティリティ（値幅）が大きいため、ホールドするのは極めて難しいです。
さらにその値動きが2倍になるので、長期ホールドできる人はかなり少ないと思われます。
iFreeレバレッジNASDAQ100に投資するべき？
個人的には、NASDAQ指数に投資するのは投資手法の一つとして有りだと思います。
しかし個人的には、長期ポジションに対しレバレッジをかけるのはおすすめしません。
おすすめしない理由①
理由の一つは、株価の下落（ドローダウン）に耐える事が困難だからです。
”もしも”「インデックス投資を続けていれば、これだけ儲かった」と解説する人は多いです。
しかしその人達は、実際に下落相場を経験し、長期投資で資産を築いた経験はあるでしょうか。
実際には、大半の投資家はS&P500指数へのインデックス投資すら続けられず脱落します。
その中で、さらにホールドするのが難しくなる投資手法を選ぶのは得策ではありません。
おすすめしない理由②
「ポートフォリオの一部なので大丈夫」「下がっても鬼握力で持ち続ける」と考えてこの投資信託を選ぶ人もいると思います。
しかしそのような投資方針であれば、個別株に長期投資した方が簡単かつ遥かにリターンが大きいです。
私も個別株の短期トレードはおすすめしませんが、「ポジションの一部」だと割り切って長期保有した銘柄が株価数倍になることは珍しい事ではありません。
まとめ
レバナス（iFreeレバレッジNASDAQ100）はNASDAQ指数に投資する方法として、人気化している投資信託です。
これまでNASDAQ指数は、特に金融緩和局面では大きなリターンを上げてきました。
NASDAQ指数の上昇に投資したい人には、便利な投資商品の一つと言えるでしょう。
ただし株価下落時の下落幅は大きい投資商品のため、長期投資保有する難易度が高くなる点は注意が必要です。
