配当性向とは、企業が株主に支払う「配当金の割合」を示した指標です。
配当性向が高いほど「株主に多くの配当を還元している」と考えることができます。
そのため多くの投資家は、企業の「配当性向」を重視しています。
しかし単純に「配当性向が高ければ高いほど、投資先として優れている」とは限りません。
本記事では、配当性向のポイントについて解説します。
配当性向(はいとうせいこう)とは
配当性向(読み方:はいとうせいこう)とは、企業が事業で得た純利益のうち「株主に支払われる配当金の割合」を表す指標です。
配当性向が高いほど、株主には多くの配当金が支払われます。
そのため、配当金が目的の投資家には「配当性向の高い企業」が好まれます。
配当性向の計算式
配当性向は、下記の計算式で算出することができます。
配当性向 = 1株あたりの配当金額 ÷ 1株あたりの当期純利益 x 100
一般的に、下記の認識を持っておいた方がよいでしょう。
配当性向が高い:株主への配当還元率が高い
配当性向が低い:株主への配当還元率が低い
配当性向の目安
配当金を目的としている投資家は、30%を一つの目安にしていることが多いようです。
また配当性向以外にも、配当利回りも重視する投資家が大多数です。
配当利回りは株価によって変化するため、配当性向と併せてチェックする必要があります。
国内上場企業の配当性向の平均
日本企業の配当性向は平均で30%~40%前後となります。
東証一部の大型株に比べ、マザーズ市場等の新興企業は低い傾向があります。
米国株の配当性向の平均
米国企業の配当性向は、平均で30%~40%前後と日本株と大きな差はありません。
しかし日本企業に比べ、米国企業は自社株買い等による株主への還元を重視しています。
そのため配当性向の数字以上に、実際には米国株の方が株主への総還元率は圧倒的に高い傾向があります。
配当性向は高い程良い?
配当性向が高い企業の多くは、株主還元を重視していると考えることができます。
しかし配当性向が高い企業が、一概に投資先として優れているとは限りません。
株主が長期的なリターンを得るためには、目先の配当金よりも保有する企業自身の価値が向上する事が重要です。
そのためには投資先の企業が、保有する資金(キャッシュ)を有効に使う事が重要です。
株主に配当金として還元するのは、企業としてあくまで一つの手段です。
その資金を使って事業を拡大したり、企業買収・自社株買い等を実施する方が有効なケースもあります。
配当性向が高くても、その企業にとって適切な使い途であるかを考える事が重要です。
無配企業への投資は避けるべき?
無配(配当金が無い)の企業や、非常に配当金が低い企業は多く存在します。
特に上場して間もない新興企業や、急成長中の企業は無配の企業が大半です。
しかし「成長企業」の場合は配当金を支払うより、自社への投資(事業の拡大)に資金を使う方が大きなメリットがあります。
逆に既に大きく成長し、キャッシュを多く保有している「成熟企業」は、配当金による株主還元が有効な場合があります。
配当性向を見る際には、その企業の成熟度を見る事が一つのポイントとなります。
まとめ
配当性向は企業が株主に支払う「配当金の割合」を示した指標です。
上場企業の配当性向は、平均で30%~40%前後となっています。
配当性向が高いほど、一般的に株主への還元率は高いと言えます。
しかし一概に配当性向が高ければ高い程、良い企業という事はありません。
投資の神様「ウォーレン・バフェット」が率いるバークシャー・ハサウェイでは配当金を支払っていません。
成長企業では無配の企業も多く、企業の成熟度に応じて判断する必要があります。
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